会長あいさつ
当協会は、廃棄物処理施設技術管理者制度創設(1965年)に伴い、1967年に設立され、2009年からは「一般社団法人廃棄物処理施設技術管理協会」として、技術管理者等の資質及び社会的地位の向上を図ることにより、安全かつ安定的・効率的な施設管理への貢献と生活環境の保全及び循環型社会の形成に寄与することを目的に活動をしてきました。
技術管理者の資質向上への取組としては、1974年に環境・廃棄物行政の動向や最新の廃棄物処理技術・維持管理技術などをテーマに「季刊 環境技術会誌」を創刊し、1979年からは中央研究集会を毎年開催しています。この他、事例研究発表会・セミナーの開催、メールマガジンの配信や廃棄物処理施設の事故事例調査の実施など、廃棄物処理に係る情報共有・交流の場、技術研鑽の場の充実に努めてきました。また、2012年からは、技術管理者が維持管理に係る知識レベルの維持向上及び当該分野の最新知識の習得に努め社会的使命を果たせることを目的として、継続学習制度(CPDS)の運用を開始し、2017年から学習実績等に応じて称号(統括技術管理者等)を付与しています。個人、所属企業・団体にとり自らの価値を高め、社会的信頼を得る優れたものですので、是非、参加していただきたいと思います。
2019年度からは、これまでの取組や経験を活かして、環境省の二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金のうち、「廃棄物処理施設を核とする地域循環共生圏構築促進事業」の執行団体としての業務を開始しました。この事業は、第四次循環型社会形成推進基本計画の柱の一つである「地域循環共生圏形成による地域活性化」に沿って、廃棄物処理施設を中心とした自立・分散型の地域エネルギーセンターの整備を進め、施設で生じた熱や電気を地域で利活用することによる低炭素化を支援するものです。自治体や民間事業者の方々の積極的な利活用を望みます。
技術管理者制度が創設され半世紀以上が過ぎました。この間、多くの技術管理者が養成されたことにより、処理技術の安全・安定性は格段に向上し、施設に対する地域の信頼も得られるようになりました。今後、廃棄物処理については、循環型社会の形成を軸に地域循環共生圏構築や脱炭素、国際貢献など、様々な取組が求められており、技術管理者の役割は今まで以上に重要となっています。労働力人口の減少、働き方改革やデジタル技術の急速な進展への対応も含め、技術管理者には、これら課題へ対応し、廃棄物処理に係る新たな期待に応えるため、当該分野の専門知識はもちろん、関連する様々な分野の知識を習得することが求められています。
当協会は技術管理者をはじめとした現場で働くすべての技術者が社会の変化に的確に対応できるよう、また、廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築へ向け、社会に信頼され貢献する団体として発展できるよう積極的に活動してまいります。
今後とも、当協会に対し、ご支援、ご指導を賜りますよう心からお願い申し上げます。
一般社団法人 廃棄物処理施設技術管理協会
会長 柳 井 薫